バックネット裏にて(東北大会)

2023/06/08
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我が母校・仙台商業が、高校野球の東北大会に出場するというので行ってきました盛岡へ。相手は花巻東さんで、現役大リーガー2人を輩出している野球の名門校なので、勝ち負けは時の運、どんな野球をしてくるのか見てみたいのと、プロ注目の佐々木選手とはどんな人なのか、興味があったからであった。

球場は新設されたばかりの「きたぎんボールパーク」で、人工芝か゛真新しい。プレイをする選手たちも、きっと気持ちよいだろう。又、ここでは都会にはないメリットに広い駐車場を確保していることが挙げられる。観戦しながらのアルコールはご法度になるが、マイカーで駆け付けることが出来るのは実にありがたいではないか。

正面入り口からスタンドに入るとそこはバックネット裏で、球場全体を一望できる。美しい。運よくバックネット裏4列目を確保、しかも見やすいセンターライン近くである。グランドではこれから対戦する両チームの選手たちが、入念にウオームアップしている姿に余念がない。山形の日大山形と福島の聖光学院である。野武士軍団と洗練された都会のチームの対戦といった印象か。

試合は福島が先行した試合運びだったが、山形の同点スリーランで流れが五分に戻った感じだった。福島のピッチャーの球速も衰え、山形のバッターの目も慣れてきて、いつ試合がひっくり返るのかハラハラ、筋書きのないドラマの展開があるやもしれぬ、と、独り感じていたものだ。山形のバッターはじっくりと腰を据えていたし、力強さをも感じる。福島の左ピッチャーから繰り出されるボールは、右バッターには見易くなるからだ。3-3のまま9回を終え、特別ルールのノーアウト1.2塁から再スタートになる。先攻の福島が2点先取し、後攻めの山形は、1死2.3塁から逆転のサヨナラ・スリーランを放ったではないか。スタンドのファンがざわめく正に劇的なシーンであった。試合終了後に両チームの選手たちがホームプレート前で挨拶をする場面になっても、福島の左翼、右翼の選手は泣き崩れて戻ってこない。これが甲子園本大会だったら理解するが、まだ本大会でないのだ。悔しさをバネに再び頑張ればいいじゃないか。

そして我が母校の後輩たちの出場である。どうしても注目され何かと話題になっている怪童佐々木選手の姿に目がいってしまう。往年の元西鉄中西選手を思い浮かべてしまう。太っている体形で動きが俊敏に出来るのか気になってくる。この体でプロでやっていけるのか、まぁ、今後の本人の努力次第かも。

花巻東のピッチャーは、サイドスローとスリークォーターの中間ぐらいの投げ方で、直球、スライダーでアウトコースすれすれでストライクを先行させ、常にピッチングを優位に進める。立ち上がりこそボール先行で2人のランナーを出したが、慣れてくるとボールに威力があるのか仙台商業の打線はバットには当てるが、差し込まれて、なかなか遠くには飛ばず、ノーヒットの状態が続く。パワー不足に思えた。

一方の花巻東はパワフルだ。注目の佐々木選手は力強いスイングで1回ランナーをおいて、早速左翼後方のフェンス上のネットに突き刺さる2塁打を放つではないか。空恐ろしい選手だ。続く4番バッターに、糸を引くような打球をセンター前に放たれ簡単に1点を奪われたではないか。

いやはやこの時点でコールド負けを想像してしまったよ。が、勝負とは分からないものだ。仙台商業のピッチャーは、オーバースローで変化球を交えながら投球を整え、花巻の強打線を固い守りで守り抜き、中盤まで1点差の状態が続いていく。ここで、あわよくば、、、、と考えたのは、きっと私ばかりではないだろう。

佐々木選手の2打席目はセンター奥へ、3打席目はライト後方、共に大飛球。フェンス直前のアンツーカーの位置での捕球だった。打った瞬間、私の周りから「入った」と叫ぶ声が聞こえる。がっちりした体から繰り出されるパワフルなスィングで放たれる打球の速さは、やっぱりプロ球団も魅力だろう。どこのプロチームが射止めるのか楽しみだ。

試合は花巻が1点追加し、2回戦にコマを進める結果になったが、仙台商業も良い経験が出来たのではないだろうか。固い守りで強力打線を凌いで、粘り強く戦ったではないか。もっとパワーを身に着ければ更に強いチームになれると思っている。パワーが無いから強い打球を放つことが出来ていない。もともと試合運びには定評が伝統的にあるチームなのだから。

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