小さな旅.8 二口林道を歩く

2017/06/19

一般車両の通行止めが、一時的に解除された二口から山寺に抜ける林道を、今度は歩いて踏破しようと家内と挑戦してみた。距離は約20kmという。まあ、車道だから5~6時間くらいもあれば迷わず辿り着けるはずだと思い、朝6時頃自宅を後にした。

二口手前で早速私達は野生の猿達の出迎えを受けた。6時45分歩き始める。天候は良好。予報では山形県側は30度くらいになるというが、朝は快適だ。途中、テンのような生き物が林道を横切っていく。蝉も賑やかだ。いや、賑やか過ぎだ。うるさく感じたことが何度もあったくらい、賑やかだった。舗装状態も、一年半位前と比べると、だいぶ良くなっている。がけ側から崩れ落ちた小石や、猿達が残していった糞を避けながら、順調に足を進める。

峠手前の展望所からの眺めは、疲れてきた体と気持ちを癒してくれるのに最高だ。ここまで歩いてきた林道が、はるか遠くに見え隠れしている。峠からは地図に記載されてある登山道を下山する予定にしていたが、標識不備、道の入り口も見当たらず断念。自動車道を歩くことにした。どうせ下りなのだから自動車道であっても、楽に歩けるだろう。

ラジオの周波数を山形県側に合わせ、山寺に向かって足を運び始めると、たらの芽が目に付いた。どうせだからいただきましょうと、採りながら歩く。宮城側では目に付かなかったが、山形側では多く目に付く。おかげで誰にも採られず残された恩恵に預かることが出来た。今夜はたらの芽の天ぷらだと、頭に描きながら歩くのは楽しい。車両通行止めなので、歩くのが苦にならない方にとっては、この林道は絶好の場所ではないでしょうか。

なんだかんだと山寺を正面に見ながら、JR山寺駅には13:30頃到着。下りの途中に欲していた冷凍菓子の「ガリガリ君」には残念ながら山寺界隈ではお目にかかれなかった。14:10過ぎの快速に乗車し自宅に戻った。すぐに別の車で二口に残してきた車を取りに向かう。いたずらされていないことを祈りながら・・・・。

二口では、汗ばんだ体を湯に浸すつもりでいたが、以前利用した温泉の面影は私達の目には映らなかった。休業したのか、廃業したのか留守のため、確認は出来なかった。出発時になぜ見落としてしまったのか誠に残念。寂しい限りである。