小さな旅.3 マタギの里は寒かった

2018/04/04

今晩の宿泊予定地、日立内に着いた頃は、すっかり陽が落ちていた。ここは、いわゆるマタギの里といわれ、多くの狩猟に関わる人たちが生活していた地である。今でこそ交通機関が発達し、簡単にどこにでも行き来できますが、昔はそうではなかったところのひとつでもある。周りは森林に覆われ、住む人も少なく、産業が育ちにくく開発が遅れたゆえんか、自然が保たれ、獣にとっても棲みやすい環境だったんだろう。いつまでも残しておきたい地域、我が国の財産のひとつでもある。まずは宿泊予定の道の駅「あに」に行くが、明かりは消え、いかにも獣の鳴き声が聞こえてきそうなところだった。車の通過もなく、孤独感をしみじみと味わえる場所のようである。 (続く)