今日はお盆の真っただ中 西馬音内盆踊りを思い出す

2019/08/17
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これまた古い話で恐縮ですが、この時期東北に限らず全国的に、夏祭りが盛んに行われています。平成7・8年の二年間、私は転勤で秋田市に住んでいました。せっかくの機会なので、地域で行われている伝統行事を拝見。秋田のこの時期は、何といっても「大曲の花火」と「西馬音内盆踊り」です。お盆の時期に開催されている盆踊りは、当時はそんなに全国的に話題にはなっていなくて、見物客の人数も少なく、まじかに見ることができました。車を駐車するにも、今でこそ有料が当たり前ですが、その辺の空き地に無料で止めていました。見ていた場所だって、やぐら(よく盆踊り会場で組まれる囃子を奏する舞台)に組まれた丸太に、ちょこんと座って見ていたものです。それが今や商業ベースにのり、この地域のこの時期の一大イベントとなっています。それまでの素朴さに欠けて、ご先祖様の霊を慰める本来の趣旨から大きくかけ離れて、今日に至っているようです。陽が陰ってきたころ、まずは子供たちがお囃子に合わせて踊り始めます。さらに会場に設けられた篝火に火が入ると、祭りは一層盛り上がりをみせてくれます。21時ころを境に子供タイムに変わり大人衆の出番になります。は縫いの衣装を身に着け、傘をかぶって顔を伏せて踊る独特の姿と、頭巾をかぶって顔を伏せて踊る、これまた独特の姿が、秋田音頭に地域独特の歌詞を組ませて、披露してくれます。周りは闇に包まれ、踊り手が顔を見せてくれない様は、異様に感じられ、無くなられた方々の霊が、あたかも現世の人達と共に、きっとこの場で踊っているのでしょう。幾たびか機会があって足を運びましたが、本来のご先祖をお悔やみし慰める盆踊りと、商業ベースに則った今の盆踊りを、別々に開催したらいい。本来の趣旨からあまりにもかけ離れているように思えてなりません。

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