国民的作曲家・古賀政男ゆかりの青根温泉の旧公衆浴場に思う

2020/06/11

宮城県と山形県にまたがる蔵王の麓にある青根温泉。ここはあの国民的作曲家・古賀政男が若い頃、失意・苦難のひと時を過ごし、名作「影を慕いて」を作ったとして伝わる忘れがたい地でもある。幾たびか訪れ散策を楽しんできた。そのたびに利用してきた公衆浴場であるが、何年か前に訪れた時には老朽化のため閉じられ、そばに新しい公衆浴場が出来ていた。新しくできた施設は、今風の、どこにでもあるような利用し易いもので、私にとっては魅力に欠ける施設である。以前の施設は設備全体が古くなっていて、利用者の立場に立てば、必ずしもお勧め出来かねるかもしれないが、私にとっては、何といっても浴場が醸し出す雰囲気が魅力だった。特に薄暗い室内、大谷石みたいな石で囲んだ浴場、不便で質素な設備などなど。新しい施設は、その逆をいっているような、どこにでもある設備である。引き付けられるようなものがない。残念だ。新しくする際、他にはない青根が持ち続けてきた特徴を持った設備を作ることは出来なかったのか。遊興施設の魅力は何といっても他にはない独特の特徴を持つことである。日本全国どこに行っても同じでは正直面白くないではないか。

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