厳寒の中 老兵 いまだ健在なり

2021/01/22

今の時期、一年で最も寒さが厳しいと思われる中、あえて先日、妻と一緒に山形県南部に位置する雪で覆われた白布温泉を訪ねてきた。何年か前に、テレビで地元の米沢牛を囲炉裏の炭火で焼いて食べさせてくれる宿として放映されていたからだ。囲炉裏にも興味があったが、何といっても妻が焼肉大好きで、ましてや米沢牛である。断わる理由がないではないか。幸い除雪は出来ていて、時節柄政府が「不要不急の外出は控えるよう」唱えていたが、宿泊業者も大変だと思っていたからである。

期待にたがわず、その美味しさに十二分に堪能出来た。言葉は小々、品が落ちてしまうが、腹一杯頂くことが出来、満足している。この宿の経営者の親父とも、酒の肴に、いろいろと話し合いながらである。聞くところによると親父は、かつて四国を舞台にした100kmマラソンに幾たびか出場し、その思い出となる写真が食事処の壁に貼ってあった。親父の年齢は、ゆうに80歳を超えている今、とても高齢とは思えないほど、元気そのものだ。そうとうの頑張り屋さんなんだろう。背筋がピンとしているではないか。雪が解けて温かくなったら、再びお邪魔したいと約束し宿を後にしたが、考えてみると、決して綺麗な宿だとは言えないが、長年の間に大勢のお客さんとで培った絆、思い出などがしみ込んでいるのだろう。味のある宿である。

《食材持ち込み炉端焼き専門店》

《セルフ炉ばたや いずみ・店主のつぶやき》